一般眼科
一般眼科
眼科は、目と目の周囲に関する病気を全般的にみる診療科で、乳幼児からご高齢の方まで幅広く診療します。情報の視覚化が進む現代では、“ものをしっかり見る”ことは、日常生活においてきわめて重要です。一方、パソコンやスマートフォンの急速な普及に伴い、目に対するストレスも非常に大きくなっています。
目の症状は、痛み、かゆみ、充血、疲れ目、視力低下、まぶたの腫れなど様々ですが、いつもの見え方と違う、何かおかしい、といった些細な症状でも、病気の兆候になることがあります。目に異常や違和感があったり、日常生活でお悩みがあったりしたら、何でもお気軽にご相談ください。
このような症状の方はご相談ください。
日常的に起こりやすい症状でも、詳細な検査を行うことで病気の早期発見につながることもよくあります。気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。
眼を使う作業を続けることで、目の痛み、かすみ目、充血などの症状や、頭痛、肩こり、吐き気などの全身症状が現れ、十分な休息や睡眠をとっても回復しない状態を指します。緑内障や白内障、ドライアイなどでも出現することがあります。また最近は、パソコンやスマートフォンなどを使用する機会が増えているため、これが原因となる眼精疲労も増えています。
目の前の像は、角膜、水晶体、硝子体を通り、網膜にピントが合った後、その情報が視神経を通って脳に伝わります。弱視はこの情報が伝わる経路に支障があるときに生じます。症状がないこともあれば、目を細めて見る、片方の眼を覆う、左右の目が同じ方向を見ていないなどの症状がみられることもあります。
子どもの視機能は、8歳ごろまでに成人同様の機能を持つまでに成長し、この期間を「感受性期間」と呼びます。弱視は、感受性期間に何らかの原因により視機能の発達が止まったり、遅れたりすることにより生じます。子どもは、視機能の発達段階にあるため本人の自覚が難しく、ご家族も発見することが困難です。しかし、感受性期間に原因を取り除くことによって、視機能の発達を促進し、良好な視力を獲得することが可能です。早期発見・早期治療が大切なので、3歳児健診や学校検診をきちんと受けるようにしましょう。感受性期間にお子さんの目のことで気になることや不安なことがあれば、何でもご相談ください。
新聞など手元の文字が見にくい、ぼやけるといった自覚症状がある場合、最も頻度が高いのが老視(老眼)です。40歳前後から自覚することが多く、眼の調節機能が低下して近くのものにピントが合わせづらくなります。治療は眼鏡やコンタクトレンズで矯正します。若い年代の方でも、スマートフォンやタブレットなどを長時間見続けることで、老視のような症状が起こることがあります。この場合、一時的な症状であり、ものを見るときの適切な距離と時間を保つことで予防することができます。
症状は目の乾きだけでなく、目がかすむ、まぶしい、疲れる、痛い、ゴロゴロする、赤い、涙が出る、目やにが出るなど様々です。その背景には、加齢による涙の量や性質の低下、長時間画面を見る、生活環境(低湿度、エアコン下、送風)、コンタクトレンズ装用などがあります。また、免疫の作用で涙腺が傷ついてしまうシェーグレン症候群や、関節リウマチなどの膠原病なども原因となることがあります。軽度であれば、市販の目薬でも改善しますが、眼科の治療では、涙の不足成分を補ったり、目の炎症を抑える目薬や、涙点に栓(涙点プラグ)をして涙をためる治療などで改善を目指します。
原因は細菌感染です。まぶたには涙や汗の分泌腺や毛穴がありますが、その小さな孔から細菌が感染して症状を引き起こします。部位によって外麦粒腫と内麦粒腫に分けられます。症状は、まぶたの一部が赤く腫れ、軽度の痛みやかゆみを伴います。炎症が強くなると、赤み、腫れ、痛みも強くなります。進行すると、腫れた部分が破れ膿(うみ)が出ますが、この膿が出てしまえば症状は回復に向かいます。治療は抗生物質の点眼や内服を行います。化膿が進んだ場合、まぶたを切開し膿を除去することもあります。日頃から汚れた手で目をこすったりしないよう注意することが大切です。
まぶたにあるマイボーム腺の出口が詰まり、炎症が起きることによってしこりができる病気です。
コロコロとした違和感がありますが、ほとんど痛みなどはありません。抗生物質や抗炎症剤の点眼・軟膏を使いながら経過観察します。腫れがひどく、症状改善がなければまぶたを切開し膿を除去することもあります。
目に起きる様々なアレルギー疾患の総称です。花粉やハウスダストなどアレルギーの原因があり、結膜の炎症とかゆみ、目の異物感(ゴロゴロする)、目やに、涙が出るなど自覚症状がある場合に診断されます。花粉によって引き起こされるものを花粉性結膜炎といい、いわゆる花粉症のことをいいます。季節により花粉の種類は異なり、春ではスギやヒノキ、初夏ではカモガヤやオオアワガエリ、秋ではブタクサやヨモギが代表的です。
蚊や糸くずのようなものが浮遊して見える症状のことで、その原因には治療を必要としない加齢性の変化から、早急な治療を要する重大な疾患までいくつかの可能性が考えられます。自覚症状からは原因を特定することはできませんので、飛蚊症が生じたらまずは眼科での精査をお勧めします。
糖尿病の3大合併症の一つとして知られており、日本の失明原因の上位を占めています。網膜とは眼底にある薄い神経の膜であり、ものを見るために重要な役割を果たしています。糖尿病で血糖値が高い状態が長く続くと、網膜の毛細血管はつまったり出血することによって徐々に障害を受けます。糖尿病網膜症はかなり進行するまで自覚症状がないという特徴がありますが、糖尿病治療(食事療法、運動療法、薬物療法など)とあわせた定期的な眼科の通院で発症や進行を抑制できるといわれています。早期に治療を行うことで、失明のリスクを大幅に下げることができるのです。しかし、治療をせずに放置すれば、失明する可能性もあります。糖尿病と診断された方は同時に眼科も定期的に受診することがとても重要です。
網膜剥離は何らかの原因により網膜が眼球壁側から剥離した(めくれた)状態をいい、裂孔原性網膜剥離は網膜剥離のなかで最も多くみられます。網膜に孔があき、目の中にある水(液化硝子体)がその孔を通って網膜の下に入り込むことで剥離が生じ、剥離が進行するとすべての網膜が剥がれてしまうこともあります。網膜に孔があく原因としては、老化や網膜の萎縮、外傷などがあります。前駆症状としては飛蚊症(小さな蚊のようなものが見える症状)や光視症(閃光のようなものが見える症状)を自覚することがありますが、無症状のこともあります。病状が進んでくると視野欠損や視力低下を自覚します。
網膜の中心にある直径1.5~2ミリ程度の黄斑が障害される病気です。黄斑は細かいものや色の識別を行う、特に重要な役割を担っています。症状としては視力低下、中心部がゆがんで見える、中心暗点(真ん中が見えなくなる)、色覚異常(色が分からなくなる)などがあります。欧米では成人の失明原因の第1位でめずらしくない病気であり、日本でも失明原因の第4位となっています。高齢になるほど多くみられる疾患です。