網膜疾患レーザー治療・硝子体内注射
網膜疾患レーザー治療・硝子体内注射
視界の中を糸クズやゴミ、虫のようなものが浮遊しているように見える症状を飛蚊症と呼びます。飛蚊症の大半は加齢が原因で起こる「生理的飛蚊症」ですが、なかには網膜剥離など深刻な病気の前兆として見える「病的飛蚊症」の可能性もあるため、眼科受診をお勧めします。
精密眼底検査を行います。これは、散瞳剤を点眼して瞳孔を開いた状態にしておいた上で、医師が検眼鏡を用いて網膜の隅々まで観察する検査です。検査自体は数分で終わりますが、散瞳剤を点眼してから瞳孔を開くまでに20〜30分ほどかかります。また、検査後に瞳孔が元に戻るまで5〜6時間程度かかります。瞳孔が元に戻るまでは、ピントがぼやけて、光がいつもより眩しく感じます。そのため、検査後の自動車・バイク・自転車の運転は危険ですので控えていただきます。
網膜の一部が引っ張られて孔があいたり(網膜円孔)、裂けたり、薄くなって孔が開いたりした状態(網膜裂孔)をいいます。
放っておくと網膜剥離に進行していくので、直ちに治療する必要があります。
レーザーによる網膜光凝固術で網膜剥離への進行を抑えるようにしますが、進行の方が早い場合も時々あります。進行し網膜剥離に至ってしまった場合には早急な手術加療が必要となります。
糖尿病網膜症は、糖尿病の合併症として起きてくる眼の疾患です。
予備軍も含めると2,000万人といわれる糖尿病の患者数の多さもあり、糖尿病網膜症は緑内障とともに失明の大きな原因疾患となっています。糖尿病には、のどが渇く、多尿などの症状がありますが、これらは病状がかなり悪くならないと気づきません。
そのため初期~中期では自覚症状はほとんどないために、糖尿病に気が付かないことや、健康診断で指摘されても放置している方も少なくありません。しかしその間にも糖尿病は確実に進行し、合併症が悪化していきます。
糖尿病の合併症としては網膜症、腎症、神経症と言われています。
糖尿病網膜症は一度進行すると改善することは困難で、放置すると失明に至るため、早期発見、早期進行抑制が重要です。
網膜細小血管の血流が悪くなり、血液中の成分が血管から漏れやすくなっている状態です。検査を行うと点状・斑状出血、毛細血管の一部がこぶのように腫れる毛細血管瘤、血漿成分が染み出して白くなる硬性白斑などの症状が認められますが、自覚症状はほとんどありません。
細小血管の閉塞が広範囲に及んできた状態です。軟性白斑、静脈異常、網膜浮腫などが起きてきます。
網膜の虚血状態が続き、酸素や栄養を送るために網膜表面や硝子体に新生血管が伸びていきます。新生血管は脆く破れやすいので、網膜出血や硝子体出血を起こす危険性が高まります。さらに、網膜上に薄い膜状の増殖膜が形成され、この組織が収縮することで網膜を引っ張り、牽引性網膜剥離が発生します。
糖尿病の合併症ですから、血糖のコントロールにより血液や血管の状態を改善することが重要です。
新生血管の原因となる網膜の酸欠が起こるため、酸欠部位の網膜にレーザー光線を当てて酸欠を解消することで新生血管が作られないようにします。網膜光凝固術は視力を改善させる治療ではなく、糖尿病網膜症の進行を抑制し失明を防止する目的で行われる治療です。
糖尿病黄斑浮腫の原因となる血管内皮増殖因子に作用し、浮腫を軽減させる治療です。
多くの場合複数回、かつ継続的な注射が必要となることがあります。
主に増殖糖尿病網膜症による硝子体出血や網膜剥離を起こした場合に行われる治療です。
網膜の静脈が血栓などで閉塞し、網膜に出血する疾患です。
糖尿病網膜症と並び、網膜出血を起こす代表的な原因として挙げられており、網膜出血の他に網膜の黄斑部に浮腫ができるなどの障害を引き起こします。物が歪んで見える、目がかすむ、視野欠損、視力低下などを自覚します。
静脈内の閉塞を解消するための薬や網膜の血管を拡張する薬などを使用し血流の改善を促します。
網膜静脈閉塞症によって生じる黄斑浮腫を改善させ、病気の進行を強力に抑えます。